日本クラブWEBギャラリー企画展 「日本から世界へおくる灯り」-地域で育まれた水府提灯の伝統と革新-
会期: 4月22日(金)ー 6月2日(木)
場所: 日本クラブWEBギャラリー(URL:https://nippongallery.nipponclub.org/)
昨年7月23日の東京オリンピック開会式では、やぐらに組まれたたくさんの提灯(ちょうちん)が紹介されました。日本クラブWEBギャラリーでは、10回目の特別企画として、日本の文化を代表する伝統工芸品の一つである提灯を取り上げます。
江戸御三家のお膝元、水戸藩は、藩の経済を支える産業の一つとして、当時、必需品であった提灯の製造を奨励しました。以来、水戸は、岐阜、福岡県八女市と並ぶ、提灯の日本三大産地の一つとなりました。水戸藩で作られた水府提灯(すいふちょうちん)は、骨格となる竹ひごを一本ずつ輪にして糸で結う一本掛けという工法で作られ、頑丈な事で知られています。現在も工法を変えずに和紙を貼った奉納提灯・祭り提灯・看板提灯などが作られています。
本展では、水府提灯を取り上げ、私たちが日常生活を送るうえで欠かすことのできない灯りの器具として使用されてきた提灯の歴史と製造工程を紹介します。茨城県には、提灯作りに欠かせない丈夫で良質な和紙(西ノ内和紙)の産地があり、その他の材料も供給できる水源や自然に囲まれた地域特性があります。
150年続く老舗「鈴木茂兵衛商店」第七代目当主の鈴木隆太郎氏は、時代に翻弄されながらも伝統工芸品としての提灯作りを維持しつつ、一方で、作品がMoMAニューヨーク近代美術館に永久保存されている、現代アーティスト兼グラフィックデザイナーのミック・イタヤ氏の閃きや、若手による先端技術を取り入れることにより、提灯の特製を最大に活かしながら現代の機能性が加わった照明器具の「すずも提灯」を誕生させました。
本展では、代々引き継がれてきた「水府提灯」と、それがまるで蛹が蝶となって世界中に羽ばたきだした「すずも提灯」にスポットを当ててご紹介いたします。
[お問い合わせ先] gallery@nipponclub.org